TOP ライフスタイル 【災害備蓄にも!】日本で販売解禁の液体ミルク、安全性と今後の活用法は?

【災害備蓄にも!】日本で販売解禁の液体ミルク、安全性と今後の活用法は?

2019.08.30

9月1日は防災の日ということで、ご家庭の防災グッズを見直されている方も多いのではないでしょうか。

2018年8月8日から「乳児用液体ミルク」の販売が日本でも解禁になりました。

このニュースは、子育てに携わる人たちにとってものすごく画期的な出来事でしたが、いまだに「液体ミルクって何?」という方々が多いのが現実です。

そこで今回は、防災の日にあわせて、3児のママでフードライターのヤナイさんに、乳児用液体ミルクの安全性や活用法についてママ視点でご紹介いただきます。

液体ミルクが日本で販売されなかった理由は?

乳児用液体ミルクとは、あらかじめ調乳された液体状のミルクのこと。粉ミルクのように、お湯に溶かして薄める必要もなく、適温まで冷ます手間もいらない。封を開ければすぐに赤ちゃんに与えることができるスグレモノです。

source:http://www.shutterstock.com/

子育て先進国と言われる北欧のスウェーデンでは人工栄養において、粉ミルクと液体ミルクはほぼ半々、フィンランドにいたっては液体ミルクが9割以上の支持率を誇ります。(※1)

そんな乳児用液体ミルクは1970年代から世界各国で普及しているのに対し、なぜ、日本では販売されていなかったのでしょう。

それは、食品衛生法でも、健康増進法(特別用途食品)でも、母乳代替品は粉ミルクしか基準が設定されていなかったためです。しかし昨今、育児支援、男女共同参画と災害備蓄の観点から基準が見直され、乳児用液体ミルクの販売解禁へと至ったのです。(※1)

 

乳児用液体ミルクの安全性は?

大切な赤ちゃんに飲ませるミルクですから、気になるのはその安全性です。

乳児用液体ミルクの衛生面での信頼性は高く、世界保健機構(WHO)と国連食糧農業機構(FAO)では、感染リスクの高い乳幼児のために、災害時には粉ミルクよりも無菌状態の液体ミルクを推奨しているほど。温めてから飲ませる必要もありません。(※1)

今回、製造販売が可能となった日本でも、制度改正に伴い、安全面もしっかりと検討されています。

 

パパとの育児シェア増にも期待! 乳児用液体ミルクの活用

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乳児用液体ミルクの2大メリットは以下の2点だと思います。

・調乳要らずで手間がかからないことと

・常温で長期保存できること

江崎グリコ株式会社が行った「乳児用液体ミルクを使用したいシーン」のアンケート調査によれば、以下のような結果に(※2)。

1位・・・外出時に授乳するとき(61.8%)

2位・・・災害時などの緊急時(49.6%)

3位・・・夫や家族などに預けて授乳してもらうとき(41.0%)

4位・・・保育者が体調不良のとき(31.6%)

5位・・・外出する直前など急いでいるとき(29.9%)

たしかに粉ミルクの場合は外出時、お湯を入れた水筒に哺乳びんに、とママのバッグはパンパンになります! それに比べ、液体ミルクなら荷物もぐっとスマートに。

また、地震や豪雨など日本で昨今多発している自然災害の備えにも◎。

実際に、熊本地震でフィンランド企業から無償提供された乳児用液体ミルクは、清潔なお湯が手に入りにくい災害下で大いに活躍し、今回の解禁への弾みとなりました。

さらに筆者が乳児用液体ミルクに期待するのは、パパとの育児シェア。眠くて辛い夜間授乳、自ら起きて粉ミルクを調乳し、わが子に飲ませるパパはどのくらいいるでしょう? だいたいの家庭が夜間授乳はママの役割となっているはずです。

これから日本に液体ミルクがさらに普及したら、手間が省ける分、パパだってもっと授乳に参加しやすくなるのではないでしょうか。

ママの育児負担が軽減され、子育ての大変な部分を夫婦で共有できれば、夫婦間の愛情も深まるのではないかと筆者は感じます。

 

(2018年8月31日の記事を再編集・公開しています)

【参考・画像】
※1 乳児用液体ミルクに関するニュースレター江崎グリコ
※2「乳幼児液体ミルクに関する調査(2018年7月)」- 江崎グリコ株式会社
※  Lesterman、 Africa Studio、 Antonio Guillem – Shutterstock

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