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災害のとき本当に必要なモノは?家庭内備蓄の「超基本」まとめ

2019.08.28

あなたの家には、いざというときのための”備え”がちゃんとできていますか?

もしできていないなら、東日本大震災直後のスーパーの様子を思い出してみてください。スーパーの棚に商品がほとんどない状態でしたよね。

災害によって物流がストップすると、このようなことも起こりうるのです。とくに当時は、長く置いておけるカップラーメンやペットボトルの飲料水などは手に入らなくなっていました。

よって、災害にあったとき、自宅に危険がなければしばらくは生活できるように食料などを備えておきたいところ。

今回は、It Mamaライターの島津優理子さんが、もしものときのための”家庭内備蓄の基本”について、NPO法人 日本防災士会/防災士会みやぎの防災士でママでもある佐藤美嶺さんに伺った災害対策についてご紹介いただきます。

 

備蓄は「常に使うもの+非常時に必要なもの」が基本

佐藤さんは、「災害時、小さい子どもを連れての避難所生活はとても大変です」と言います。そのため家が無事であれば、自宅の備蓄で1週間くらい生活ができるようにしておくことを推奨されています。

けれども、1週間分の備蓄となると保管場所も必要ですし、お金もかかります。また、「そもそも備蓄って何をしたらいいのかわからない」という方も多いと思います。

知識に自信がないときは、ざっくり“常に使うもの+非常時に必要なものを揃えよう”と考えてみましょう。

 

基本的な家庭内備蓄品リスト【常に使うもの編】

以下に、佐藤美嶺さんから教えていただいた具体的な備蓄をリストアップしていきます。

◆一週間ぐらいあるといいもの

・水(3リットル×3日×人数分)
・食料(非常食3日分)
・ミルク
・おむつ(上記のミルクとおむつは赤ちゃんがいる場合)

 

◆自宅にあると便利なもの

source:https://www.shutterstock.com/

・常備薬
・処方薬(とくに処方薬は切らさないように少し多めに持っておくといいです)
・おしりふき
・除菌シート
・トイレットペーパー
・ティッシュペーパー
・生理用品
・母乳パッド
・缶切り
・マスク
・大小ビニール袋(トイレ用に大きな不透明な袋も用意しておきましょう)
・消毒類(救急セットはもちろん、哺乳瓶の消毒薬に使えます)
・卓上IH調理器(停電後、電気が復旧したときに大活躍します)
・ポット

 

基本的な家庭内備蓄品リスト【非常時に必要なもの編】

◆停電時に必要なもの

・懐中電灯(ラジオ、携帯電話の充電器つきがオススメです)
・乾電池(各サイズ、揃えておくと便利です)
・卓上コンロ
・ガスボンベ
・電池式ストーブ

災害時に安全に使えるよう、時々使って、普段から使い慣れておきましょう。

また、佐藤さんによると、「懐中電灯は、使わないときは、電池を抜いておくといいです」とのこと。入れっぱなしにしておくと、液漏れして故障の原因になってしまうのだそうです。

そして、最悪のケースも考えられるので、電池式ではなく、ソーラーや手回しで充電できるものを準備しておくと安心できます。

◆断水時に必要なもの

photo by It Mama
出典: It Mama(イットママ)

・簡易用トイレ
・ガソリン携行缶
・水用ポリバッグ

写真の簡易トイレは東京ガスで開発されたもの。

大きな災害の際、地方の都市ガス事業者の復旧支援のため早い段階から被災地入りし、復旧作業にあたっていたことから、簡易トイレの必要性を感じ開発されたものです。

東京ガスでは、NPO法人 日本トイレ研究所と共に、プログラム「災害時のトイレをそなえよう!」という地域の防災イベント等も実施されていますので、ぜひチェックしてみてください。(※1)

水用ポリバッグは、蛇口付きのものがひとつあると便利です。ただ、大きすぎると運べないので、自分が持てるサイズのものを用意しておきましょう。20Lをひとつよりも、10Lをふたつのほうが運びやすいですよね。

給水したら、塩素がとばないように、直射日光を避けて保管しましょう。

ここまでご紹介したものが、簡単に用意できて必要な家庭内の備蓄品になります。次に、どちらかと言えば備蓄としてあった方がいいものをご紹介します。

 

上記以外であると便利な家庭内備蓄品リスト

◆衛生的に使えるもの

・食品用ラップ(お皿を洗わなくて済みます。保温や包帯代わりにもなります)
・クッキングシート(まな板やフライパンに敷いて使えます)
・アルミホイル(トースターやホイル焼き、お皿に敷く、ロウソクやコンロを作れます)
・高密度ポリエチレン袋(食品を入れて混ぜたり、つぶしたり。非常時の離乳食作りもできます)

 

◆簡易的に何か作れるもの or 何かのかわりになるもの

source:https://www.shutterstock.com/

・新聞紙(簡易トイレ、防寒対策、折りたたんで色々と作ることができます)
・ガムテープ
・風呂敷(おむつ、生理用品、包帯、袋、防災ずきんを入れられます)
・さらし(おむつ、生理用品、包帯、おんぶ紐、ロープ代わりになります)
・ロープ

◆その他いろいろ

・携帯用カイロ(防寒対策)
・筆記用具
・簡易トイレ(とくにマンションでは汚水管が破損していて水が流せない可能性も)
・ガソリン携行缶(災害時に営業しているガソリンスタンドは限られるので、備えておくと心強いです)
・バール、ジャッキ(負傷者の救出や脱出に使えます)

初めて備蓄を考えるとき、まず何を用意すればいいのか、これでざっくりつかめたのではないでしょうか。

ちなみに筆者の自宅はオール電化なので、震災時の計画停電の際は本当に困りました。オール電化で停電だと、ミルク用のお湯を沸かすこともできないんですよね。

普段生活していると、電気、ガス、水道が使えることが当たり前になっていますが、災害が増えつつある昨今、使えなくなってしまった場合のことも考えて備蓄品を用意しておきましょう。

 

(2013年10月26日の記事を再編集・公開しています)

 

【参考・画像】
※1 災害時のトイレをそなえよう! – 東京ガス
※ Iakov Filimonov、 Bohbeh / Shutterstock

【取材協力】
※ 佐藤美嶺・・・防災士。特定非営利活動法人 日本防災士会/防災士会みやぎ 正会員。一児の母。山形県出身。仙台市在住。乳幼児親子を中心に、ママ目線での防災・減災に関する講座やワークショップなどの講師として活動を行っている。手遊びや体験を交えて、“忙しいママにもできる実践的な防災・減災のアイデア”を伝える防災講座はいつも好評。詳しい情報は、『ママの立場で考える防災・減災 佐藤美嶺』で公開中。(取材ライター:島津優理子)

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