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育児フローで考えるパパの育児と「夫婦のズレが生じる理由」って?

2019.08.26

主体的に育児に取り組み、育児を楽しむ男性が増えているように思います。

しかし、助産師である筆者のもとには「パパが育児をした気になって困る」「おいしいところばかりでケンカになる」という相談が多く寄せられます。

育児に積極的に取り組んでいるにもかかわらず、そのように思われていたら男性も不愉快になることでしょう。

そう話すあき助産師、夫婦のそのズレはどこにあるのか? 今回は育児や家事をフローで考えていただきましたのでご紹介します。

「自称イクメン」から透けて見えるホンネ

source:https://www.shutterstock.com/

育児中の男性から、「オレはよく育児しているんですよ」とか、「育児を手伝っているんですよ」と話す男性によく会います。

しかし、夫婦の話を聞いていると、「自称イクメン」の妻からの評価は必ずしも高くないようです。むしろ不満に思われている場合もあって、パパとママの育児生活のなかで、ずれが生じているように感じることがよくあります。

男性が「育児を手伝っている」と言う表現には、「本来は妻がすることだけれど」的なニュアンスが透けて見えるからなのではないでしょうか。

 

育児とは緊張感の連続

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ママが育児を大変だと感じるのは、“おむつ替え”、“お風呂”というひとつひとつではないようです。

ママが育児を大変だと感じるのは、「何かあっても、一人で対応しなくてはいけない」「明日も明後日も朝も昼も夜も……」と、連続する緊張感なのではないでしょうか。

パパの育児の場合、多くは、

「ママやおばあちゃんなど他にも大人がいる」

「〇時まで、という時間制限付き」という状況であり、無制限に一人で育児することは多くありません。

「いざというときにサポートしてくれる大人がもう一人いる」「〇時になれば一人の時間」となるだけで、育児の緊張感は全く違うのではないでしょうか。

 

 育児フロー(お風呂篇)

育児中の男性から、「お風呂は全部やってます!」という声をよく聞きます。

「どこからどこまで入れていますか?」と尋ねると、

「頭から足まで全部ですよー」とか、「裸で連れてきてもらって、洗い終わったら妻が迎えに来るのでー」とか、そのようなお答えがほとんど(全員ではありませんが、90%くらい)。

実際の赤ちゃんのお風呂には以下のような過程が必要です。

出典:直井亜紀2

1.赤ちゃんの機嫌のいいタイミングを見計らう

2.カーテンを閉める・室温調節する

3.お風呂にお湯を入れる

4.お風呂上がりの準備をする

5.大人の体を洗う

6.赤ちゃんを迎えに行き、洗う

7.赤ちゃんの体を拭く

8.大人のからだを拭く

9.赤ちゃんのお体の手入れをする

10.赤ちゃんに服を着せる

※スムーズにいっているときに限る

※子どもがひとりだけのときに限る

ときには

・途中で泣きやまない

・途中でウンチをする

そんなオプションがつくかもしれません。

上記フロー過程を、パパひとりでこなしているご家庭は、残念なことに少数派です。

このように、わたしは、

「裸で連れてきてもらって、洗い終わったら迎えを呼ぶ」というお風呂担当をしているパパに、“自称イクメン”が多い気がするのです。

ママの「子どものお風呂全部」と、パパの「子どものお風呂全部」では、指しているものが違います。

 

育児フロー(公園遊び篇)

これは公園遊びも同じです。

パパが指す公園遊びは、“公園で遊ぶこと”をさしますが、ママは準備から片付けまでをさしています。

出典:直井亜紀

 

意見のズレが生じる理由

このように、パパが行っているのは“実行”であり、ママが求めているのは“準備・実行・片づけ”であることが多いようです。

そして、

夫「育児してるのに、やってないって言われる」

妻「全然育児しない」「気が利かない」

と、ケンカに発展していくご夫婦も……。

出典:直井亜紀

ママが「育児が大変」と感じるのは、

食事をしたいときも、トイレに行きたいときも、体調が悪くても、赤ちゃんが泣きだしたら駆けつけなくてはいけない……ずっと気が抜けないから。

たとえ横になっていても「赤ちゃんはいつ目を覚ますだろう」と気にかけ、「今は静かにしてほしい」と思っても、その通りにはなりません。

ママが一人で、準備・実行・片づけをこなすのは、想像力・決断力・予知力を必要とします。そして、女性はわざわざ「私、育児しているんですよー」とは言いません。

夫婦がお互いの状況を想像できる育児であれば、意識のズレは生じにくいのではないか……そう思っています。

最後に、ご家庭によってはパパとママのお役目が異なることもあると思いますが、今回は多数派のご家庭について書かせていただきました。

 

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【イラスト・画像】
※ イラスト by author、milatas、Boryana Manzurova / Shutterstock

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