ママがイライラをぶつけても逆効果!「すぐ泣く子」へしてあげたい3つの対応
知らない子が玩具に触ったと泣く。鉄棒に手が届かないと泣く。滑り台が怖いと泣く。あげく、公園から「帰りたくない!」と泣きわめく……。
泣いてばかりのわが子を前にすると、思わずイラっとしてしまいますね。また、「わが子は将来、集団生活でやっていけるのかな……」と心配にもなるかもしれません。
この記事では、20年間にわたり、様々な文化背景を持つ乳幼児から大人までの育ちをサポートされた長岡真意子さんに、すぐに泣く子への対応についてお話しいただきます。
すぐに泣くのは感受性が豊かな証
幼児が何をしても泣くというときは、まずは、体調をみてあげましょう。疲れていたり、お腹がすいている場合は、ゆったりと休んでお腹を満たすことを優先します。
体調万全であっても、普段からスグ泣きがちという場合は、感受性が人一倍強い性質をもった子かもしれません。
こうした個性を持った子は、自分の玩具に他の子が触ること、自分の手が鉄棒に届かない様子、滑り台の高さや速さ、そして楽しい公園から去らなければいけないという事実にも、強烈に感じ入ります。
そして、悲しい、怖い、不安、悔しいといった感情も、人一倍強く感じるように思います。
ですから、子どものこみ上げる強い感情と、うまく付き合う力とスキルをママが育んであげましょう。
「すぐ泣く子」へのNGな言葉がけ
「こんなことで泣かないの! 誰も泣いてないじゃない!」
スグ泣いてしまう子というのは、突き上げる強い感情に、自分でもどうしようもなく涙が溢れてしまうものです。そこへ、大好きなママから頭ごなしに否定されてしまっては、ただ「自分はダメ」「自分はおかしい」という気持ちだけが残ってしまいます。
「泣き虫ねえ!」
幼児は、自分がどういう子なのか、まだよく分かっていません。ですから、影響力絶大なママにこうした言葉をかけられれば、「自分はスグ泣いてしまう子」とますます思い込んでしまうかもしれません。
ネガティブなレッテルをはるより、“感受性が豊か”といった良い面に目を向けてあげましょう。
「すぐ泣く子」へしてあげたい3つの対応
(1)まずは気持ちを落ち着ける
感情が高まっているときに何を話しても、子どもの心には届きません。まずは親子で気持ちを落ち着けましょう。そのために最も効果的なのが、“共感とスキンシップ”です。
「悲しいね」「もっと遊びたいね」とその子の気持ちに寄り添い、抱っこして背中をトントンするなどしてあげましょう。
(2)気持ちが落ち着いてきたら「泣いて訴える以外の方法」について話し合う
気持ちが落ち着いたら、「その玩具で遊びたいなら、お友達に『待ってね』と伝えようね」「鉄棒に手が届かないときは『抱っこして』と教えてね」「あと3回シーソーしたら帰ろうね」など、泣いて訴える以外の方法について話し合ってみましょう。
(3)普段、泣かずに取り組めたときに喜んでみせる
ママとして、ついつい子どもが泣いている時ばかりが気になってしまうものですが、普段、その子が泣かずに対処できた時に気づき、喜んであげましょう。
「『滑り台怖いからママ一緒にして』と言ってくれてありがとうね!」「あともう一つトンネル作ったら帰る!」と言ってくれてママ嬉しかった~」などと、“できている時”をこまめに認め、伝えてあげます。
筆者の長男も、スグ泣く子でした。今は、敏感な面を持ちながらも、自分の好きなことを見つけ、楽しく充実した日々を過ごす19歳です。
子どもは成長しますし、幼児期の姿からその子の将来を悲観する必要はありません。できる範囲で大らかに見守ってあげたいですね。
【参考・画像】
※ 長岡真意子(2019)『敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本』- 秀和システム
※ Photographee.eu、Zdravinjo、Martin Novak / Shutterstock