あなたは大丈夫?マナー講師が教える「間違ったNG敬語&正解」5選
仕事に必要不可欠な敬語。しかし、間違った敬語を使っている方も少なくありません。特に、尊敬語と謙譲語の使い分けはむずかしいですよね。
そこで今回は、ビジネスマナー講師の西谷依里子さんに“よく耳にする間違った敬語”を教えてもらいました。
ポイントは、主語が相手の場合は尊敬語、主語が自分の場合は謙譲語を使うことだそう。正解例も書いてありますのでチェックしてくださいね。
【尊敬語と謙譲語】間違えやすいNG敬語&正解
NG1:(お客様に向かって)「恐れ入りますが、1Fサービスカウンターのスタッフに伺ってください」
丁寧な文に感じられますが、「伺う」は謙譲語(主語が自分の時に使う敬語の種類)ですので間違った敬語の使い方。伺うのは自分ではなく相手(お客様)ですので、尊敬語を使いましょう。
「恐れ入りますが、1Fサービスカウンターのスタッフにお尋ねください」が正解です。
NG2:「鈴木様はおられますか」
電話応対や企業訪問の際に、話したい相手を呼び出すときによく耳にするフレーズ。「おる」は「いる」の謙譲語(主語が自分の際に使う敬語の種類)です。文の主語は鈴木様(相手)ですので、謙譲語を使うのは失礼。
「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」のため、「鈴木様はいらっしゃいますか」が正解です。
NG3:(クライアントとの会話で)「かしこまりました。営業部長にその旨お伝えします」
こちらの場合、正解は「お伝えする」ではなく、「申し伝える」です。どちらも謙譲語ですが、実は謙譲語にも2種類あり、誰を立てるのかによって使う敬語が変わります。
まず、「お伝えする」は向かう先の人(文では「自分の上司である営業部長」)を立てた言い方。
例文では、クライアントの前で自分の上司を立てているため、失礼な文になっています。「申し伝える」は聞き手であるクライアントを立てた言い方ですので、「上の者に申し伝えます」が正解!
会話をしている相手と、ほかの登場人物との関係性を考え、誰を立てるべきかを考えるとわかりやすいですね。電話応対でもよく使うフレーズですので、こちらは覚えてしまいましょう。
また、社長との会話で「お客様に伝える」という場合は、「そのようにお客様にお伝えします」が正解です。(こちらの文で、立てるべき相手はお客様です)
NG4:(社長に対して)「お客様が参られました」
NG2と同様に、使う敬語が間違っています。主語であるお客様に対して、謙譲語の「参る」を使うのはNG!
「来る」の尊敬語を使って「お客様がいらっしゃいました」「お越しになりました」が正解です。
NG5:(社内だけのパーティーや忘年会で)「社長よりご挨拶申し上げます」
社内だけの会の場合は、トップである社長を立てて「ご挨拶をいただきます」が適切な言葉遣い。ご来賓やクライアントが多くいらっしゃる会では、その方々を立てた言葉遣いにしましょう。
この場合は、「社長よりご挨拶を申し上げます」が正解です。
社内だけの会なのか社外の方もいる会なのかによって、立てる相手が変わりますので注意しましょう。
自分の敬語に自信が持てると、相手との会話がもっと楽しくなります! 主語が誰なのか、誰を立てるべきなのかを考えるとわかりやすいですね。ぜひ参考にしてください。
【参考】
※ 敬語の指針 / 文化審議会答申
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※Dmitry Kalinovsky、 Rawpixel.com / Shutterstock