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香り高い珈琲焙煎所を求めて~京都府 こだわりのスペシャルティコーヒー3店~

2019.06.17

こだわりの豆や焙煎方法でコーヒーを煎る焙煎所が増え、家で豆を挽いてコーヒーを淹れる人も多くなってきました。京都府内にも、こだわりの焙煎所が少しずつではありますが、増えています。今回は、KYOTO SIDE編集部がおすすめする珈琲焙煎所を3店ご紹介。コーヒーをお目当てに、足を伸ばしてみてはいかがでしょう?

スペシャルティコーヒーとは

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ところで、最近よく耳にする「スペシャルティコーヒー」という言葉。何となく質のいいコーヒーなのはわかるのですが、実は、ちゃんとした定義があるのをご存じですか?

味わいで評価する

「カッピング」と呼ばれる世界共通の手法で、液体となったコーヒーの甘みや酸味など、複数の項目を評価。合計80点以上のコーヒーがスペシャルティコーヒーと呼ばれています。最近ではより高得点のものを指す言葉として使われるようになっています。

 ”From seed to CUP”(種からカップまで)も大事な要素

さらに、食の世界で近年重要視されるトレーサビリティも、スペシャルティコーヒーにとって大切な要素。コーヒー豆の生産から精製、流通、焙煎、抽出までの要素で、きちんとした品質管理がされているものだけがスペシャルティコーヒーと名乗ることができます。

つまり、飲んで美味しいのはもちろん、カッピングスコアが最低でも80点相当以上で、かつ、生産・精製・流通などの情報が全てわかるコーヒーがスペシャルティコーヒーなんですね。 今回、KYOTO SIDE編集部がおすすめする珈琲焙煎所は、どの店もスペシャルティコーヒーに力を注いでいます。どんなお店なのでしょうか。早速、見ていきましょう。

specialty coffee Unir(本店・長岡京市)

関西スペシャルティコーヒーのパイオニア的存在

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おとぎ話の世界のような美しい竹林と特産のタケノコで知られる京都府南西部の長岡京市。2006年、この街に誕生したUnir(ウニール)は、関西におけるスペシャルティコーヒーの草分けとして、多くのコーヒー好きから支持を集めています。

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オーナーの山本尚(やまもと ひさし)さんは、その年に世界各地で収穫されたコーヒーから最高品質のものを選ぶ「カップ・オブ・エクセレンス(COE)品評会」の審査員を務める人物。また、ヘッドバリスタの山本知子さんはバリスタの日本大会で優勝し、今年4月にアメリカ・ボストンで開催された「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2019」に日本代表として出場しました。

世界各地から仕入れた“top of top”のコーヒーから扱う

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“Unir”が取り扱うのは、スペシャルティコーヒーのなかでもさらにハイクオリティなものだけ。そのため、中米やアフリカなど世界各国のコーヒー生産地まで直接買い付けに赴いています。生産者とのフェイス・トゥ・フェイスで関係性を築き、コーヒーの風味を評価するカッピングを通じて豆の品質を確認。生産者が永続的にコーヒーを作ることができるよう、品質に見合う価格で買い付けを行っています。

ハイクオリティなスペシャルティコーヒーのポテンシャルを引き出す「こだわりの焙煎」

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こうして世界各国から仕入れたコーヒー豆の焙煎にも、Unirは徹底的にこだわっています。業界最先端の焙煎機を用いることで、豆を焦がすことなく本来の風味を引き出し、かつ持続させることを可能に。人の手も交えた豆の選別や、丁寧なカッピングを通じて、納得のいくコーヒーだけを販売しています。

さらに鮮度にもこだわるUnirでは、毎日必要な量だけ焙煎を行い、販売するコーヒーにはすべて焙煎日を明記。新鮮でハイクオリティなコーヒーだけが生み出す味わいを心行くまで味わうことができます。

「高温」「フレンチプレス」でコーヒーの風味を心行くまで味わって!

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現在、長岡京市に2店、京都市に1店のほか、東京、大阪、名古屋にも店舗を構えるUnir。価格帯は100g700円~3000円程度のラインナップのなかから、スタッフと相談してお気に入りのコーヒーを探してみてください。

Unirのコーヒーは、使い方も簡単なフレンチプレスという専用の器具で淹れるのがおすすめ。コーヒーの香味成分を含むコーヒーオイル(油分)もしっかりも抽出でき、香りや味わいもしっかりと感じられるのだとか。さらにお湯を注ぐときも高温にすることで、コーヒーの風味を最大限まで引き出せるそうです。

■■INFORMATION■■

specialty coffee Unir スペシャルティコーヒーウニール
<本店>
住所:長岡京市今里4-11-1
電話:075-956-0117
営業時間:豆販売10:00~19:00※カフェは10:00~18:00(17:30LO)
定休日:水曜日、第3火曜日

<長岡天神店>
住所:長岡京市天神1-3-21
電話:075-954-7001
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日

<京都マルイ店>
住所:京都市下京区真町68 京都マルイ1階
電話:075-354-5078
営業時間:10:30~20:30
定休日:不定休

中山珈琲焙煎所(木津川市)

関西のイベントでも人気を集める珈琲焙煎所

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浄瑠璃寺や岩船寺など多くの古寺がある京都府南部の木津川市加茂町。こちらの住宅街の一角にあるのが、2010年にオープンした中山珈琲焙煎所です。店主の中山修也さんは、元々個人で美味しいコーヒーの研究を重ねていた「コーヒーマニア」。2009年、それまで勤めていた会社を辞め、手回しロースターと一緒に各地のイベントを巡るコーヒーの移動販売を始めました。

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移動販売を始めた頃は自宅でコーヒーの焙煎をしていた中山さん。しかし自宅での焙煎が難しくなったことから、近くにあった建物を焙煎所にリノベーション。現在は、カウンター5席のカフェとしても営業しており、窓の外に広がるのどかな田園風景を眺めながらゆったりと美味しいコーヒーを味わうこともできます。

また、店舗営業のかたわら、京都や大阪、奈良などで開かれるイベントに出店したり、コーヒーの美味しい淹れ方教室を開催したり、コーヒーをもっと多くの人に楽しんでほしいと精力的に活動しています。

豊かな味と香りの中米産スペシャルティコーヒー

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中山珈琲焙煎所で取り扱うコーヒー豆は、味と香りが豊かなことで知られるグアテマラやホンジュラスなど中米産が多いのが特徴。なかでも、スコアシート90点以上のハイクオリティなスペシャルティコーヒーを中心に、常時8種類前後取り揃えています。

中山さん自身も昨年グアテマラとホンジュラスを訪れ、現地農園の様子をつぶさに見学しました。なかでも強く印象に残っているのが、ホンジュラスの「ミゲルエンジェル農園」を訪れたときのこと。わざわざ遠くから訪れた中山さんのために、オーナーのミゲルさんが新鮮な鶏を使ったチキンスープを用意してくれたそうです。一口食べた瞬間、そのあまりの美味しさに感激した中山さん。おもてなしのために心を尽くしてくれたミゲルさんの気持ちに感動したそうで、「人の出会いや生産者の思いを伝えるコーヒーを、もっと多くの人に味わってほしいです」と語ってくれました。

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そんなミゲルさんの優しい気持ちが込められた「ホンジュラス・ミゲルエンジェル農園」(626円/100g・税込)は、白ワインのようなクールな酸味と青リンゴを連想させるすっきりとした透明感が特徴。ゴクゴクと飲みたい初夏にぴったりのコーヒーです。

何よりも「コーヒー豆の品質」を大切にしたい(中山さん)

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研究を重ねた焙煎にも力を注いでいますが、何より大切なのは「豆の品質」と語る中山さん。「おすすめの淹れ方は?」と伺ったところ、「淹れ方は人それぞれ好みがあるので『これがおすすめ!』とは言えないのですが、何よりも挽き立ての豆でコーヒーを淹れてほしいと思います。香りが引き立つことで味わいの幅が広がりますよ。「コーヒーの酸味が苦手」という方もぜひ試してほしいですね。」(中山さん)

ちなみに、コーヒーミルも手動・電動と多彩なタイプがあるそうなのですが、電動ならできるだけ質の高いものがおすすめなのだとか。手動でゆっくりと挽くのも素敵ですね。

 ■■INFORMATION■■
中山珈琲焙煎所

木津川市南加茂台9-15-2
090-5169-4420
営業時間:12時~19時
定休日:日、月曜日

大山崎 COFFEE ROASTERS(大山崎町)

風光明媚な街に惚れ込んだ夫婦が営む珈琲焙煎所

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大阪との境に位置する大山崎町。「天下分け目の」天王山や、桂川、木津川、宇治川の3つの川が一つに重なることで知られる風光明媚な街です。都心に近い場所でありながら自然と豊かな風土に恵まれたこの街に惹かれた中村佳太さん、まゆみさん夫妻が営むのが、大山崎 COFFEE ROASTERS。阪急大山崎駅から徒歩8分、JR山崎駅から徒歩10分の場所に店はあります。

目指すは、「街のコーヒー豆屋」

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中村さん夫妻が目指すのは、「街のコーヒー豆屋」。地域の幅広い世代、趣向の方にコーヒーを楽しんでもらえるよう、敢えて産地や品種、風味を特定することなくバラエティ豊富に揃えています。ただし、品質は全てスペシャルティコーヒーランクの高品質なもののみ。ブレンドを行わず、すべてシングルオリジン(特定の農園や地域で生産されたもの)で提供。それぞれの個性をストレートに楽しめます。

コーヒー本来の風味をしっかり感じられる雑味の少ない焙煎

大山崎 COFFEE ROASTERSのもう1つの特徴は、カフェ・喫茶営業を行わず、コーヒー豆の販売を専門に行っていること。そのため、家庭で誰がどんな抽出方法で淹れても美味しく飲めるよう、風味がギュッと詰まった、雑味の少ない焙煎を目指しているのだそう。焙煎所内では、ロースターの佳太さんがコーヒー豆に均等にしっかりと熱を通すことができる完全熱風式の焙煎機を使い、時間をかけて丁寧に焙煎をしています。

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また、焙煎後美味しくなるとされる4日目から2週間程度のコーヒーを味わえるように、店頭では焙煎後3日以内のコーヒーだけを販売。オンラインでも注文を受けてから焙煎した豆だけを発送しています。

ちなみに、これから暑くなる時期。アイスコーヒーをよく飲むという方にぴったりなのが、ルワンダ バフ コーヒー(800円/100g・税込)。花の香りを思わせるクリアな爽快感は、アイスコーヒーにぴったりなんだそうです。

その一手間がコーヒーの味を「格別」にする

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コーヒーを美味しく淹れるためのポイントは、「淹れる直前に豆を挽くこと」。粉のまま保存しておくよりもはるかに美味しくなることを実感してもらうため、大山崎 COFFEE ROASTERSでは、挽き売りをせず全て豆のままで販売しているのだとか。さらに、コーヒーを淹れる際には、お湯の温度にも注目してほしいとのこと。「ドリップで淹れる場合は、沸騰したてのお湯を使わず、90度前後まで冷ましたお湯で淹れるのがおすすめです。コーヒー豆本来の風味がよく抽出されますよ。」(佳太さん)

 ■■INFORMATION■■
大山崎 COFFEE ROASTERS
住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎尻江56-1
電話:075-925-6856
営業日時:毎週木曜と土曜の10:00~15:00※イベント出店等のため臨時休業の場合あり

ということで、今回は京都府のおすすめ珈琲焙煎所を3店ご紹介しました。気になるお店はありましたか?ぜひ実際に訪れて、お気に入りのコーヒーを見つけてくださいね!

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