保育士さん、お昼寝の時間に「寝たがらない子」どうしてますか?
少しずつ気温が上がり、暑い日が続くようになってきて、保育園では子どもたちが外で毎日汗をかきながら元気いっぱい園庭を駆け回っていることでしょう。
今回は現役保育士のichiさんに、元気いっぱいな保育園の子ども達の重要な休息時間とも言える、”お昼寝”について、なかなか寝たがらない子の対処法と合わせてお話いただきます。
お昼寝の意味とは?
保育園には”お昼寝の時間(午睡)”が設けられています。これは、長い保育時間の中で子どもたちにとって休息の時間をとることが健康のために不可欠だと考えられているからです。₍※₎
睡眠は食べることや排泄すること、あそぶことといった生理的欲求や子どもたちにとって大切な活動にも大きなかかわりを持ち、子どもの情緒の安定にも大きく影響すると言われています。₍※₎
お昼寝の時間って?
お昼寝の時間や回数は、年齢によって異なります。
●ゼロ歳児前半(3~4ヶ月)……三回睡眠で午前と午後、夕方に睡眠をとります。一日の生活の中でも眠っている時間が長く、起きている時間は食事(ミルク)やオムツ交換の時間になります。
●ゼロ歳児中頃(5ヶ月~)……夜以外に午前と午後に睡眠をとる二回睡眠に移行していきます。移行の目安は朝9時まで目覚めていられるかどうかと言われています。三回睡眠の時期よりも起きている時間が長くなり、活動の中におやつやあそびが加わってきます。
●一歳以降……夜以外に午後の決まった時間に睡眠(午睡)をとる一回睡眠に移行します。移行の目安は午前11時くらいまで目覚めていられるかどうかと言われています。
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それぞれの保育園によって差はあると思いますが、乳児さんは食事を終えた子から随時お昼寝をしていきます。12時頃までには入眠をしている子がほとんどです。
幼児さんになると日中の活動時間が長くなり、乳児さんに比べて昼食をとる時間も遅くなります。また、昼食後紙芝居などのお楽しみの時間を設けてからみんなで一緒にお昼寝に向かうようになります。
筆者の保育園では、年少さんだと12時から12時半の間、年中さんだと12時半から、年長さんだと12時半から13時の間にお布団に入っていきます。
お昼寝の時の環境設定は?
お昼寝の時間には、子どもたちが安心して入眠していける環境づくりが大切です。特に乳児さんは食事が終わった子からお布団に入っていくので、一つの部屋の中で食事とお昼寝が同時に進んでいくということがあります。
その際は食事の場とお昼寝の場を分け、お布団が敷いてある場所はカーテンを閉めたり、電気を消したりします。保育者も話しかける口調も普段より少しゆったりと、小さめの声にするように心がけます。
お昼寝時に「寝たがらない子」の対処法
まず、その子がなぜ寝たくないのかを探っていきます。寝つくまでの時間には個人差があり、すぐ寝る子もいれば、なかなか寝ない子もいます。
単純に寝付くまでに時間がかかるのであれば、背中をさすってあげたり、トントンをしてあげたりします。環境に慣れずに不安がある子には特定の保育者が個別で対応し、抱っこやおんぶをして入眠を促すこともあります。
とにかく無理やり寝かせようとしないことが大切です。子どもたちがゆったりと入眠していくためには、安心できる環境が不可欠です。それは、部屋の明るさや静かな場ということだけではなく、そばにいる大人の存在も関係してきます。
大好きな大人のそばで、子どもたちにホッとしてもらうということが大切なのです。しかし、無理やり寝かせないからと言って子どもたちを放っておいてもいいということではありません。
休息をとることは健康管理に必要なことですので、たとえ眠れないとしてもお布団にごろんとさせてあげてくださいね。
寝かしつけに苦労しているママ、多いんじゃないでしょうか?
わが子がどうして眠れないのかを探ってあげることでスムーズな入眠へのヒントが見つかるかもしれません。
日中の活動量を増やしていくことも一つの手です。時にはママも一緒にお昼寝をして休息をとるようにしてくださいね。
【参考・画像】
※ 長瀬 美子 (2014)乳児期の発達と生活・あそび (ちいさいなかま保育を深めるシリーズ) – ちいさいなかま社
※ ziggy_mars、 mannpuku / Shutterstock